●会議板●

話し合いから雑談まで何でもどうぞv私はたまにラクガキしてるかも知れません…






TITLE    4話冒頭
 夕方から降り出した雨粒が、窓を叩く。一旦視線をベランダに向けた奈々江は、小さく嘆息した。
「ええ、警告は私の方から、必ずいたします」
 低い声で答えて、通信を切る。
 要人警護の任務を果たし、対象を病院に送り届けて数時間――瑠架は未だ奈々江と暮らす部屋に戻って来てはいなかった。
 動けないほどに傷を負ったのかと心配した矢先に、エデンから通信が入ったのだ。
 NO.13――瑠架が自ら連絡を絶った、と。
 ドールの内部には、通信装置が組み込まれている。同時に、己の現在位置を示す信号も発信されていた。
 それを、自分の手で引きちぎったのだ(◆)。
 生身の身体を残した少女、痛みがないわけがなかった(◆)。
 けれど現実の痛みよりも、奈々江は、瑠架の心の内を思いやった。
「瑠架……」
 一体何があったというのか。
 奈々江が柔らかな唇を引き結んだ時、ベランダからかすかに物音がした。
「瑠架!」
 ためらうことなく、奈々江がガラス扉(◆)を開ける。
 そこに、瑠架の姿があった。
 どれだけ雨の町を彷徨ったのか、全身が濡れ細っていた。水気を含んだ制服、その襟元が乱れ、破られた肌の間から、剥き出しになったコードが覗いた(◆)。
「どうしたの、心配し……」
 用意していたタオルを持ち、瑠架に駆け寄る。
「……で」
「え?」
 奈々江は、呟かれた瑠架の言葉を拾い損ねた。
 俯いていた瑠架が、顔を上げる。
 奈々江の姿を映し、一度揺れた瞳は、泣きそうな表情をしていた。
「どうして、僕なんか作ったの!」
 瑠架の叫びに、奈々江の身体が硬直する。すぐに我に返った奈々江は、優しげな笑みを作った。
「前にも言ったでしょう? エデンの目的は……」
「嘘だ!」
 瑠架が頭を振る。何も聞きたくないと言うように、耳を塞いだ。後ずさった身体が、ベランダの柵に触れる。
「奈々江姉さんの言ってることは嘘だ……」
 偽りの家庭、奈々江の優しさ。そこに安息を見出しかけていた。
 何を信じていたのだろう。初めから、奈々江は監視者だったと言うのに。
「僕は、人を殺すために作られたの……?」
「え?」
 奈々江は困惑した。瑠架の心が分からない。
「瑠架、どうし……」
「触らないで!」
 伸ばした奈々江の手を、瑠架は振り払った。
 人を護るためならば、武器も持とう。瑠架は自身を抱き締めた。
 この身体を誇ることはない。けれど、それでも誰かを護ることは瑠架の支えにもなった。
『知ってるかい? あたしらの開発目的』
「瑠……」
 奈々江が再び手を伸ばす。
「来ないで」
 瑠架が後ずさった。
 どこかへ行きたかった。
 どこへも行けなかった。
 帰る場所は、ここしかなかったのだ。
ぴろせ
2012/04/25 (Wed)
「来ないで……姉さ」
 言葉半ばで、瑠架は膝から崩れ落ちた。
「瑠架!」
 咄嗟に奈々江が抱きとめる。
 常ならば体温など感じない瑠架の身体が、異常な熱を発していた。


『暗殺だよ! 自分やお国にとって都合の悪い人間を排除する為のな!』

 瑠架の脳裏に、ネルガルの言葉が響いていた。


(タイトル/ちなみに今回のテーマは、個々の護りたいもの&正義です)

ぴろせ
2012/04/25 (Wed)
このあと考えている話の流れとしては、

瑠架インフル名目で学校休む(本当はメンテ目的)

恭介来る→奈々江と出会う

エデンへの不信感を払拭させるため、透と会わせる
※奈々江は啓三へ瑠架から聞いた不満点(暗殺者仕様)を告げるが、うまくはぐらかされてしまう
奈々江も騙されてるフラグ立たせる

透との会話時、フォロン発動を匂わせる
「お世話してくれてた人、こなくなっちゃった」
「そういえば、ドール達がいない……?」みたいな

瑠架、登校
綾実エピ入れます
で、
綾実「どうして協力してくれるんですか?」
瑠架「似てるんだ……僕が護れなかった人に」
※似てるのは外観ではない

で、5話では文乃回想から入って病院エピ
6話で恭介は気にしない!→フォロン登場までやろうかと思ってます

ぴろせ
2012/04/25 (Wed)
有難うございます!
タイトルは「僕の正義」でパッと思い付いたんですが、全文拝見するまでひとまず保留にしておいて…

◆1:自分の手で引きちぎった〜
やろうと思えばやれます(そのままで大丈夫です

◆2:痛みについて
常人よりだいぶ感じなくなってますが、余程痛くなれば感じます
(余談ですが、丁度サンクリのコピー本に痛覚についての話描いてました/これも後日お渡しします

◆3:ガラス扉
漫画では普通のマンションに付いてるガラスの大窓(そこから出入りできる)って感じで
描いてましたが、アレ何て言うんでしょう…まんまガラス扉でいいのか何か名称があるのか…
「ガラス窓」の方がイメージ沸きやすいかも知れません。

◆4:コード
ついでに人工的…なんかメタリックな筋繊維とか見えてるとそれっぽいかも知れません。

白夜
2012/04/26 (Thu)
それから病院エピ周辺のプロット自分で見直して
(今見るとごちゃごちゃしてえらい見づらいw すみません…)
双子片割れの発言
×「男連れで〜」
○「カレシとお楽しみだったかな」
の方がしっくりくるかと思ったので、書く時はそっちでお願いします!
白夜
2012/04/26 (Thu)
チェックありがとうございます!

痛みに関しては、わざと痛覚を刺激する(激痛レベルで)仕組みにしようかと。簡単にコードちぎって失踪されてもエデンも困るだろうしw
そんで、脱走防止の爆弾を奈々江につけさせる啓三→しかし奈々江はできずに虚偽の報告をする
→ラストバトル 啓三「ワシには逆らえんのだ、誰もなあああ!」
爆破スイッチon→不発
奈々江「あなたを…信じていたかった…」とか

わわ、サンクリ本も見たいです……!
イベント終って落ち着いたら、ぜひ通販させてください!

>ついでに人工的…なんかメタリックな筋繊維
委細承知!!
さすが白夜さん、さりげないワードにきゅんきゅんしました!

きゅんきゅんと言えばブログの瑠架!
白シャツは正義!
そしてお誕生日おめでとうございます!!!!
遅くなりましたが、白夜さんとの出会いに感謝しつつv

ぴろせ
2012/04/26 (Thu)
 




TITLE    天竜さんから感想お預かりしましたので
IMG_000368.png ( 3 KB ) by しぃPaintBBS

Animation Continue

このへんは完全にぴろせさんの功績ですのでお届けです!

(ここから)
更新お待ちしておりました。好きな人物…あのゲストキャラの安藤さんっていったらひんしゅくでしょうか(笑)。瑠架ちゃんに向かって「戦わなくていい。家に帰りなさい」の台詞にこちらもじーんとしてしまいました。ネルガルさんはパワー系のDollみたいですね。次回は対照的な容姿をもつ双子たちが活躍するのかなと、また楽しみです。ではでは失礼いたしました
(ここまで)

名前すら無かった安藤の大出世には私も感動しました!正直安藤×瑠架もアリと思ってしまった位(笑)
あとブログの方でもウホッな安藤ゴチでしたvおいちゃんと流血の組み合わせは何かいいですね…!

白夜  URL*
2008/05/26 (Mon)
うわお、ありがとうございます!
というか、UP作業おつかれさまでした!

ゲストキャラの安藤さんに目が行くとはさすがオヤジ好きだぜ天竜さん……
ウホッな安藤は白夜さんのイラストのインスパイヤですvあれがなければ描いてなかったんだぜ。

勝手にキャラ活躍させて(?)よかったかなとか思ったのですが、そう言ってもらえてよかったですv>安藤
毎回書く度に白夜さんの心の広さに大感謝(−人−)

ゲーム派のSNS復活しましたね〜
そして新しいものもできた??
(゜□゜;)<どこに行けばいいのか迷う自分

まお
2008/05/26 (Mon)
天竜さんもオヤジ好きだったとは!
そういえば確かにNobleのナイスミドル率が素晴らしい事になってたな…

ANDOは「三島→蟹江」な感じで外見が分かり易く描写されてたので描いてみました。
まだおいちゃんは描き始め同然なので上手く動かすに至って無いです…これは修行のチャンスか!

>ゲーム派
運営の方でも分裂が起こってまして、新しい方は分裂と暴走の結果っぽいです。
元副管理人のとらさん曰く、もう一人の副管理人さんが独断で残りの方の管理権限を剥奪して乗っ取る?形になったとか…
で、乗っ取った方も乗っ取られた方も(後者はこっそり移転→エラー起こした辺りとか、進めてた企画でも何かやらかしたりとか)問題有りな管理人てどんだけ;
…簡単に書くとこんな感じで、自分は運営に不安感じるなんてレベルじゃなくなったので旧版に残って最後を見届けつつ別場所(mixiと自前SNS)に移動してます。新しい方に移動する方は流石に少ないみたいです…
http://starseeker.sns.fc2.com/

白夜  URL*
2008/05/26 (Mon)
SNS情報ありがとうございました〜
白夜さんとこのSNSも一旦登録したんですが、やっぱり今ちょっと余裕がないので、もうちょっと落ち着いたらぜひ参加させていただきたいと思います。
(゜□゜;)<入ったり出たりすんません

SNSって初めてだったのですが、良い経験ができましたvありがとうございました。

そんで天竜さんがブログで人形ズ紹介してくださっていたのにビックリ。
なんていい人だ……

>Nobleのナイスミドル率
爆笑しました。こういうさり気ないところに光る白夜さんのセンスがすげー好きです(笑)

まお
2008/05/29 (Thu)
 




TITLE    第三話ラストまで
を、下にあげておきました〜
チェックお願いします。

プロットにある

・奈々江を問い詰める瑠架

は、第4話で使おうと思います。
あわせて、

・恭介、ヒーローに憧れる理由

を入れて、第4話はそれぞれの立場とヒーロー観みたいなのを出そうかと。霧島に正義を語らせるのもいいかな〜なんて考えています。

第3話の最後のへんとか、ネルガルちゃんの喋り方とか右腕ちょんぱとか、ちょっと暴走してしまった感があるので、突っ込みお待ちしていますv

あと人形ズとは関係ないんだが、S*Sオフ本、私欲しいって言いませんでした、っけ……?
企画あがった当初に挙手したような(゜□゜;)
とりあえず欲しいと言っている人間がここにいるということを覚えておいてくだされ〜ノシ
一人かきっこ本も楽しみにしていますv

まお
2008/05/22 (Thu)
執筆乙です!
この位やって下さってOKですが、最後の辺りでちょっとだけ…
メフィストフェレス側は薬漬け(ネルガル)、身寄り無し(双子)、いじめられっ子(綾実)…と孤独なメンツが集まってまして、仲間…っていうか家族みたいな感じのイメージでした。衝突も多いけど何だかんだで寄り添ってる…みたいな。
そのへんどうにかちょっとだけ出して頂けると有難いです。よろしくデス

しかしルシファー優しい…
ネル子がデレデレになるのも分かります。

4話の構想了解しました!
夏のアレの準備でまたもこっちの漫画仕上げられるのが遠のいちゃってますが(TT)引き続きお時間ある時に宜しくです。

オフラインのあれこれ気にかけて下さって有難うございますv
無理にオフにしなくても、いざとなったらコピーで手作りとかいうテもあるんでしたよね…と色々考えてます。
一人かきっこの方では以前のオフ本企画の時描こうと思ってた構図でDTH絵もガッツリ入れますんで!

白夜  URL*
2008/05/23 (Fri)
 




TITLE    さらに続き
「ファウストのドールちゃん」
 ネルガルの手が燃え盛るリムジンに突っ込まれる。焼けたままの車体を無造作に引きちぎり、瑠架達に向けて投げつけた。安藤を抱えた瑠架が、再び跳躍する。通行中のトラックに車体は当たり、走行不能になったトラックは中央車線を乗り越えて反対車線へと踊りだした。
 次々に車がぶつかり合い、あたりに炎と血の匂いが充満した。
 地を蹴ったネルガルが、空中で、瑠架達の前に躍り出る。
 安藤を抱える瑠架は両手が塞がっている。勝利を確信したネルガルが拳を引き絞る。改造を施された肉体が軋む。常人の数倍はあろうという力が、そこに集約されていった。
 瑠架の身体ごと安藤を貫く心算で、ネルガルが拳を放つ。
 強張った表情で迫る拳を見つめる安藤の眼前で、それは起きた。
 耳障りな衝撃音が辺りに響く。
「な……に!?」
 ネルガルの目が驚愕に見開いた。
 放った拳が振り抜けない。遮っているのは、瑠架の右腕から生えた刃だ。
「く……」
 力を込めても金属が擦れるような音がするだけだ。ネルガルは瑠架を睨みつけた。瑠架の冷めた視線が黙ってそれを受け止める。睨み返しこそしないが、引く気もなかった。
「くそっ」
 ネルガルが叫ぶと同時に、弾かれるように両者が飛び退る。瑠架は安藤を抱えたまま着地した。安藤に怪我がないことを目で確認すると、彼を背にしたまま立ち上がる。
 車の熱風で、制服のスカートがなびいた。黒髪が夜空に溶けるように舞う。右腕から生えた刃が炎を照り返す。メタリックな輝きを持つそれは、紛れもない機械だった
「なんだって邪魔するんだい!」
 ネルガルが忌々しげに叫んだ。瑠架が淡々と答える。
「この人を守るのが僕の任務だ」
「守る!?」
 瑠架の答えにネルガルは嘲るような笑みを浮かべた。
「あんた、なに言ってるんだい」
 瑠架の変質した右腕の刃を指差す。
「あたしとあんたは同タイプのドールだ。知ってるかい? あたしらの開発目的」
 瑠架がわずかに眉を寄せた。
 エデン・プロジェクト――人類救済計画とでも称すべき果て無き研究。その目的は、人類を不老と不死へと導くためのものだと聞いている。その過程で生まれたドール技術。
 人を守るために――無力に、誰かが泣くことがないようにと奈々江は言っていた。
 それを悪しき目的に使うメフィストフェレスのドール達。彼らを誰かが駆逐せねばならない。そのために瑠架に白羽の矢が立ったのだ。
 そう、奈々江に聞いている。
 瑠架のとまどいを見抜いたように、ネルガルは言い放った。
「暗殺だよ! 自分やお国にとって都合の悪い人間を排除する為のな!」
「嘘だ!」
 瑠架は無意識に叫んでいた。脳裏に奈々江の姿がよぎる。
「じゃあ、どうしてあたしがそんなヤツを狙うと思うのさ? 邪魔な人間がいるんだよ。そいつに生きてもらっちゃ困るってね。この国のお偉いさんさ」
 ネルガルが安藤を指差した。瑠架の身体が硬直する。その隙を逃さず、ネルガルが歩を詰めた。
まお
2008/05/22 (Thu)
 瑠架が我に返った時には遅かった。数センチの距離でネルガルが微笑む。繰り出された拳が身体に触れると思われた刹那、瑠架の身体は勢い良く突き飛ばされた。
 瑠架が咄嗟に身を翻し反転する。顔を上げ、その目に映ったのは、瑠架の身代わりにネルガルの拳を身体に受ける安藤の姿だった。
「なんだい、観念したのかい?」
 ネルガルが腕を上げる。安藤の身体が宙に浮いた。苦しげに吐かれた血を受けて、ネルガルは哄笑した。
「どうして……」
 瑠架は呆然と呟いた。
 安藤が微笑む。    
「今、死にかけてるボディ・ガードな」
 優しい目だった。
「親友、だったよ」
 これ以上誰かが傷つくのはたくさんだ、と安藤が呻く。続いて吐かれた言葉は、瑠架が焦がれたものだった。

 もう戦わなくていい。君は家に帰れ。

 安藤は見た。その時、瑠架の表情が揺らぐ様を。
 家を見失った迷い子のような顔をした。
 ぺたりと座り込んだ姿勢のまま、ともすれば泣き出しそうな顔をしている。右手の刃がひどく不釣合いで――嗚呼、なんだ、普通の子供じゃあないか、と思った。
 普通の子供だ。
 そこで、安藤の意識は途絶えた。

「あら、おっさん、死んじゃった?」
 がくりと力を失った安藤の顔を、ネルガルが見上げた。傍らに座り込んだままの瑠架は俯いている。そのまま安藤に止めを刺そうかと思った時、ネルガルはそれに気づいた。
 いつの間にか、瑠架が立ち上がっている。
 伏せた顔は炎の影となって表情が読めない。
「今さらなんか用?」
 ネルガルに答える代わりに、瑠架は刃を返した。そのまま無言のうちに地を蹴る。ガードのために上げられたネルガルの左腕を弾く。
 刃が頭上高く煌く。
 閃光が走る。
 安藤の身体が落下する。地上に叩きつけられる前に、瑠架が抱きとめた。
 その身体には、ネルガルの腕が食い込んだままだ。
「うああ、あ……!」
 切り落とされた右腕を凝視しながら、ネルガルが悲鳴を上げる。二の腕から鮮やかに切り取られた傷口、そこから血は滴らない。流れ落ちる強化細胞の一部が、地を焼いた。
 瑠架は安藤の首筋に手をやった。
 脈拍を感じる。
 顔色は悪いが、出血は少ない。
 その生存を確かめて、ようやく瑠架は一息ついた。
「よくも、よくも……!」
 ネルガルが残りの左拳を握り締める。その背後から、サイレンの音が次から次へと響いてきた。
「く……!」
 ネルガルが歯軋りする。駆けつけてくる救急車やパトカーを恨めしそうに睨みつけると、瑠架への呪詛を吐き捨てた。
「絶対許さない……! 覚えてろよ!」
 揺らめく炎の中で、瑠架は確かにその声を聞いた。


 安藤嘉治が病院で目を覚ました時、すでに一週間が経過していた。駆けつけた秘書と傍らで泣く妻、その後ろに自分より早く目を覚ましたボディ・ガードの姿があった。
 安藤が重体になったあの日、安藤の傍にいたはずの護衛について、誰一人知っている者はいなかった。手配をしたはずの秘書ですら、どこの誰とも口を割ろうとしない。そういう約束になっているのだと、頑として譲らなかった。
 瑠架への道は閉ざされた。
 ただ、当直の看護士が、安藤を運んできたのは女子高生だったと、それだけを告げた。

まお
2008/05/22 (Thu)
 ガラス張りの天窓から太陽の柔らかな光が降り注ぐ。川に似せた静かな水の流れの噴水に、鳥達は木々の間を羽ばたき、囁きあう。植物園にも似た自然の空間に、ここが高層ビルの頂にあるのだということを忘れそうになる。
 白いタイル張りの床の上に、その椅子はあった。
 メフィストフェレスの創始者であるルシファー、その名を戴く者が座る場所である。
「可哀想に」
 彼は呟いた。ルシファーの膝の上に頭を乗せて寄りかかるネルガルの髪を梳く。その右腕には、新しい手が接合されていた。
「今はゆっくりお休み」
 小鳥の囀りの合間に響くルシファーの声。ネルガルは安堵したように目を閉じた。

「やっぱり口だけだったじゃん、ネルガル」
 面白くなさそうに唇を尖らせたのは、双子の片割れであるピュセルだ。体躯は少年より子供に近い。武器の大鎌に持たれているような印象だ。
「次は僕らの番か……ピュセル、油断は駄目だよ」
 同じ顔をしたポセルが慎重に呟く。自分と対照のオッドアイが冷ややかな視線を送るのを感じて、ピュセルは肩をすくめた。不安を払拭するかのように大鎌を一振りする。
「わかってるよ! 次はボクが行くっ」
 楽観的な兄の言動に、ポセルが嘆息する。どうせいつものように先走って、結局自分が手助けする羽目になるのだ。
 ポセルがネルガルを見やる。
 仲間意識というものはほとんどない。それでも、あの右腕の代償は払わせるべきだと思えた。
「ファウストの、ドール、ね」
 意外と難敵かもしれないという彼の予感は、遠からず的中することになる。

◆第三話・END

まお
2008/05/22 (Thu)
 




TITLE    続き&ご相談〜
 その場にいた誰もが、通り過ぎ行く彼女を振り返った。
 肩口で切り揃えられた黒髪も、韓紅花の制服も黒のニーソックスも、さして珍しいものではない。どこにでもいる女子高生だ。真紅の瞳を隠した眼帯も、許容範囲のうちだろう。
 その瑠架の姿が人目を引く理由――それはこの場において彼女の存在が異質以外の何者でもないせいだった。
 国会議事堂である。
 深夜に及んだ魑魅魍魎の化かし合い、もとい国民のための実直なる会議を終えた議員達が続々と議場から出てくる。その合間を縫うように、瑠架は議場へと向かっていた。
 誰の顔にも疲労が滲んでいる。が、瑠架の姿を認めた途端、誰もが立ち止まり、そして振り返った。
 その視線を省みることなく瑠架は進んで行く。
 今日の任務は要人警護。すでに先方に話は通してあると聞いていた。
 漆黒の三角錐に名が刻まれているが、席を立った者の名は全て伏せられている。次の予定が押しているのか、皆慌しく議場を出て行く。依然として座ったままでいるのは、ただ一人の男だった。
 立つ素振りも見せない。ただ議論の余韻を噛み締めるかのように議場の天井を仰いでいる。
 瑠架が一歩近づく。
 男の座る席が事前に聞いていたデータと一致する。
 姿形ともに間違いない。今夜の任務の相手だ。
 若い。
 瑠架は率直な感想を抱いた。
 とはいえ瑠架の三倍は年を食っているだろう。整え、後ろでひとつに縛られた黒髪は、一昔の侍への敬意を示しているのだと言われている。浅黒く精悍な顔からは、まだ覇気が伺えた。
「迎えが来るとは聞いていたが」
 女子高生だとは思わなかったと言外に告げながら、その男は微笑んだ。
 起立した名札が男の名を告げた。
 雁屋路棟(※仮名。おまかせします〜)
 ――若手の改革派だと言われている。その分、煙たがる人間も多い。
 三島の声が瑠架の脳裏をよぎる。
 ボディ・ガードはついていたが、先日襲撃にあった際、雁屋の代わりに被弾し、入院した。それで瑠架に話が回ってきたのである。

「一言も話さないんだな」
 首都高速を走るリムジンの後部座席で、雁屋が呟いた。隣に座った瑠架を無遠慮に見つめる。瑠架は表情を崩さなかった。ただ、走っている車の前方を睨んでいる。流れ行く街のネオンが彼女の顔を照らした。
 雁屋が嘆息する。
「家はどこだ」
 瑠架が答えたら送らせる気らしい。
「聞いているだろう。この間もボディーガードが撃たれて死にかけてる。君がどんな能力を持っているのかは知らないが、とても……」
 雁屋の言葉半ばで、瑠架はそれを視界に捉えた。夜の闇にまぎれ、舞い降りる人影。人ならぬ跳躍力でリムジンの上に乗り、突き出された拳が、ボンネットに食い込む。
「うわあ!」
 運転手が悲鳴をあげ、ブレーキを踏む。
 瞬時に瑠架は雁屋を抱きかかえ、車外へと身を躍らせた。
 制御不能になったリムジンが外壁へと突っ込む。車は瞬く間に炎に包まれ、黒煙を上げた。
「な……に」
 雁屋が絶句する。
「なんだ、あんたかい」
 炎の中から、ゆっくりと、襲撃者が姿を現した。
 舐めるように炎が皮膚を掠めても、なんら痛みを感じないようだった。火の粉を纏う髪は、鮮やかな金髪だ。パンクチックな衣装に挑発的な瞳。瑠架の姿を認めると、襲撃者――ネルガルは目を細めた。
「ファウストのドール」

まお
2008/05/12 (Mon)
とりあえずここまでチェックお願いします〜。
で、ご相談なのですが、

・雁屋の名前考えるのお願いします!
・ネルガルと瑠架はこれが初対面??

で、雁屋(仮名)なんですが、瑠架を気に入るような描写をちょろっと入れちゃってもいいでしょうか?
後々の展開で、奈々江たちと一緒に三島を倒した後、財源面はきっとこいつが面倒見てくれるんだろうな的な印象を読者さんに与えたいんですが……ど、どうでしょう?(本文内に明記はしない方向で)
「でも瑠架達のからだの維持費どうすんだろ?」
「雁屋が出すんじゃね?」
みたいな。

要人警護で白夜さんプランがあったのであれば、教えてくださると助かります〜

SNSの件、ありがとうございました(*´∀`*)
そんなことになっていたのですね;

風邪を思い切り引いたので、レス遅れると思います_| ̄|○<すみませんすみません
白夜さんも御気をつけて〜ノシ

まお
2008/05/12 (Mon)
確認しました!この流れで無問題です。

雁屋の名前は「安藤嘉治」でどうでしょう?
(人名辞典から適当に引っ張ってくっつけただけですが/笑)
気に入る描写は入れて頂いて構いません★ノープランでしたので。俺そこまで考えてなかったんだぜ…(いい加減)

ネルガルはこれ以前にも数回戦った事があるのがいいかなと個人的に思うんですがどうでしょう?結構後まで出てくるライバル…みたいな感じで。

ってお風邪ですか!?確かにこの天気じゃ身体壊しますよね…;弟が風邪貰って俺に来ないかビクビクしてるんですが今の所大丈夫…です。
ご無理なさらないで養生なさって下さいね…!

白夜  URL*
2008/05/13 (Tue)
確認ありがとうございます!
名前もかっこええ……! 頼んでよかったんだぜ。
人名事典なんてものがあるんですね!

ネルガルとの絡み、了解しました。
この後に「数回会ったことがある」ちっくな描写を入れておきます。
後々、霧島を巡って勝手に嫉妬される瑠架とかwww
ネルガルは好きな子なので、大事に書きたいですv

か、風邪……昨日は熱が出てヤバかったですorz
今もヤバイのですが; ママ業には休みがないのがつらいところですorz
弟さんが風邪っぴきですか!
白夜さんにうつらないよう、気をつけてくだせえ。

まお
2008/05/13 (Tue)